- 労基署から是正勧告を受けてしまった。もう特定技能は使えないのだろうか
- 勧告を受けたことを、入管に正直に伝えたら、不利になるのでは…
- 是正報告書を、どのように出せばよいのかわからない
- すでに特定技能外国人を雇っているが、在留期間の更新に影響しないか心配
- 申請書の「違反の有無」の欄に、「無」と書いてしまったが、大丈夫だろうか
労働基準監督署の調査が入り、是正勧告書を受け取ると、動揺されるのは当然です。「これで、特定技能外国人の雇用はあきらめるしかない」と考えてしまう社長さんも、おられるかもしれません。
しかし、是正勧告を受けたからといって、すぐにあきらめる必要はありません。大切なのは、指摘された点をきちんと改善し、そのことを入管に正直に説明することです。
この記事では、是正勧告を受けた建設会社様が、特定技能外国人を雇用するときのポイントについて、茨城県つくば市の入管申請専門の行政書士が解説いたします。建設分野の特定技能の全体像は、こちらの記事をご覧ください。
是正勧告を受けても、すぐに特定技能が使えなくなるわけではありません
是正勧告とは、労働基準監督署が、労働基準法などの違反を確認したときに、その改善を求めるものです。刑罰ではなく、「行政指導」という位置づけです。通常は、勧告書に書かれた期限までに改善して、是正報告書を提出します。
特定技能外国人を受け入れる会社には、労働や社会保険などの法令を守っていることが求められます。しかし、是正勧告を受けたことだけで、すぐに受け入れができなくなるわけではありません。大切なのは、違反をきちんと是正し、再発を防ぐ体制を整えていることです。
ただし、違反の内容や、その後の対応によって、判断は変わります。ご自身の状況については、個別にご相談ください。
特定技能で問題になるのは何か
特定技能では、主に次の2つが問題になります。
労働関係法令を守っているか
受け入れる会社は、労働や社会保険などの法令を守っている必要があります。そのため、入管の審査では、会社の労務管理の状況も確認されます。
建設会社様では、勤怠管理や残業時間の管理、賃金の支払いなどが、よく問題になります。
欠格事由に当たらないか
入管庁のQ&Aでは、5年以内に、出入国や労働に関する法令により罰せられたことがないことなどが、求められています。
例えば、是正勧告に従わず、送検されて、罰金などの刑を受けた場合は、一定の期間、特定技能外国人を受け入れられなくなる可能性があります。そのため、勧告を受けたら、早めに改善して、手続きを終わらせることが重要です。
入管の申請書の「違反の有無」の欄に、注意が必要です
入管の申請書(所属機関等作成用)の(19)には、特定技能所属機関、その役員、支援責任者、支援担当者が、特定技能雇用契約の締結の日前5年以内、または締結の日以後に、出入国または労働に関する法令に関し、不正または著しく不当な行為をしたことの有無を、「有(内容・該当者名: )」と「無」から選ぶ欄があります。

(出典:出入国在留管理庁の様式。見やすいように、一部を切り取っています。)
労働基準監督署から是正勧告を受けた場合や、指導票を受けた場合は、この欄は「有」と記載する必要があります。ところが、当事務所の経験では、この欄をよく確認せずに、「無」としている会社が、とても多くあります。
「書かなくても、わからないのでは」と思われるかもしれません。しかし、事実と違う記載をすると、正しく記載しなかったことになり、虚偽の申請と判断されるおそれがあります。その場合、外国人の雇用が認められなくなるだけでなく、受け入れ企業にも、重大なペナルティが科されます。
「有」と書くときのポイント
「有」を選ぶ場合は、「内容・該当者名」の( )に、是正勧告(または指導票)を受けた日付と、その内容を書きます。詳しい内容は、別紙にまとめて、「別紙のとおり」「是正報告書を参照」というように、参照先を示します。
別紙には、違反の内容、受けた指導の内容、そして、どのように是正したかを、整理して書きます。あわせて、是正勧告書や指導票の写し、是正報告書などを添付します。入管から、追加で書類を求められることもあります。当事務所では、再発防止策を書いた説明書も、あわせて添付しています。
なお、労働基準監督署から、口頭で指導を受けただけの場合は、当事務所では、この欄には記載していません。是正勧告書や指導票を受けた場合は、記載が必要になります。
書き方によって、入管の受け止め方が変わります。そのため、記載する前に、よく確認することが重要です。申請書の様式は、入管庁のページ(PDF)から入手できます。
是正報告書と、再発防止策
是正報告書には、勧告された違反事項について、改善した内容と、改善した時期を、具体的に書きます。
あわせて、再発防止策を整えておくことも大切です。例えば、勤怠管理の方法、残業時間を確認する仕組み、担当者の決め方、定期的な見直しなどです。
同じ違反を繰り返すと、より厳しい対応を受けることがあります。一時的な対応ではなく、続けられる仕組みにすることが重要です。
社労士の先生との連携
労務の改善は社会保険労務士の先生、入管の手続きは行政書士、というように、役割が分かれます。当事務所では、顧問社労士の先生と連携しながら、入管に説明できる形に整えていきます。
よくあるご質問
サポート事例
ある建設会社の社長さんから、「労基署に入られて、是正勧告を受けてしまった。もう特定技能は諦めるしかないのか」というご相談をいただきました。
課題:
- タイムカードでの勤怠管理が甘く、残業時間が法定上限を超えていた。
- 是正勧告を受けており、入管の審査で、どう評価されるかが不安だった。
対応と結果:
まず、顧問の社労士さんと連携して、必要な改善を行ったうえで、労基署に是正報告書を提出していただきました。
その後の入管への申請では、「労働関係法令違反歴」の欄に、正直に「有」と記載しました。是正勧告書と是正報告書に加えて、再発防止策を記載した説明書も添付しました。その結果、無事に許可となりました。
当事務所のサポート内容
当事務所では、是正勧告を受けた建設会社様について、次のようなサポートをしております。
- 状況の整理と、事前調査(勧告の内容や、改善の状況の確認)
- 顧問社労士の先生との連携
- 入管への申請書の作成(違反歴の記載や、再発防止策の説明書を含みます)
- 建設特定技能受入計画の申請、特定技能の在留資格申請
費用の目安は、建設分野の特定技能の記事をご覧ください。
すでに特定技能外国人を雇用している企業様や、自社での支援を検討している企業様は、特定技能外国人の支援を自社で行いたい企業様へのページもご覧ください。
お問い合わせ
是正勧告を受けたあとの対応は、そのあとの特定技能の申請に、大きく影響します。早い段階で、ご相談いただくほど、選べる対応が広がります。
御社の状況をお聞きした上で、最適な進め方をご提案いたします。ご相談は無料ですので、「まずは話を聞いてみたい」という段階でも大歓迎です。どうぞお気軽にお問い合わせください。



