
- 日本の大学を卒業した留学生を採用したいが、飲食店や店舗での接客が中心の仕事で、技術・人文知識・国際業務のビザが取れるか不安
- 工場のラインにも入ってもらいたいが、技人国では認められないと言われた
- 日本語が高く、他の外国人従業員の指導もできる人材なのに、在留資格が合わなくて採用をあきらめかけている
- ネットの情報がさまざまで、どの在留資格を使えばよいのか、わからない
日本の大学を卒業した外国人の方を採用するとき、多くの場合は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(技人国ビザ)が使われます。しかし、技人国ビザでは、一般的なサービス業務や製造業務が主な活動となる仕事は、認められません。
そのような場合に、使えるのが、在留資格「特定活動(告示46号)」です。正式には、「特定活動(本邦大学等卒業者)」といいます。この在留資格を使うと、技人国ビザでは認められにくかった、接客や、店舗での業務、工場のラインでの業務などにも、従事できる場合があります。
この記事では、特定活動46号の要件と、認められる業務、注意点を、茨城県つくば市の入管申請専門の行政書士が解説いたします。
なお、この記事の内容は、出入国在留管理庁のガイドライン(令和8年4月改定)にもとづく、2026年10月時点の情報です。
特定活動46号(本邦大学等卒業者)とは
日本の大学や大学院を卒業した外国人の方が、日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む、幅広い業務に従事することを認める、在留資格です。留学生の就職を支援する目的で、2019年に設けられました。
技人国ビザの対象は、大学などで学んだ知識に関連する業務に、限られます。これに対して、特定活動46号は、大学で学んだ成果と、高い日本語能力を活用することを要件に、より幅広い業務を認めるものです。
特定活動46号の要件
1. 学歴
日本の大学等を卒業した方が、対象です。次のいずれかにあたる必要があります。
- 日本の大学を卒業した方、または、日本の大学院を修了した方
- 日本の短期大学や高等専門学校を卒業し、大学改革支援・学位授与機構の審査に合格して、学士の学位を授与された方
- 日本の専修学校の専門課程のうち、文部科学大臣の認定を受けた課程を修了し、「高度専門士」の称号を得た方
外国の大学を卒業した方や、認定を受けていない専修学校の専門課程を修了した方は、対象になりません。
2. 日本語能力
次のいずれかが必要です。
- 日本語能力試験N1(旧試験の1級を含みます)
- BJTビジネス日本語能力テストで480点以上
- 日本の大学・大学院で「日本語」を専攻して卒業したこと
3. 日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務に従事すること
単に、上司からの作業の指示を理解して、決められた作業をするだけの仕事では、足りません。翻訳・通訳の要素のある業務や、自ら第三者に働きかける際に日本語能力が求められる、双方向のコミュニケーションを要する業務であることが必要です。
4. 大学で修得した学修の成果を活用する業務を含むこと
商品企画、技術開発、営業、管理、広報、教育など、大学で修得する知識が必要となる業務が、含まれている(または、今後従事する見込みがある)ことが求められます。
5. 雇用の形
- 常勤の職員(フルタイム)として、雇用されること。パートタイムやアルバイトは、対象になりません。
- 契約する企業の業務に従事すること。派遣社員として、派遣先で就労することはできません。
- 日本人と同等額以上の報酬を受けること。
- 社会保険の加入状況なども、確認されます。
6. 素行が善良であること
資格外活動許可の条件に違反して、恒常的に1週28時間を超えてアルバイトをしていたような場合は、素行が善良とはみなされません。
認められる業務の例
入管庁のガイドラインでは、次のような業務の例が示されています。いずれも、日本語を用いた意思疎通を要する業務が、含まれることが前提です。
| 業種 | 認められる業務の例(ただし、その業務だけに従事することは認められません) |
|---|---|
| 飲食店 | 店舗管理業務や、通訳を兼ねた接客業務(日本人への接客も可能です)。厨房での皿洗いや清掃のみは、認められません。 |
| 工場・製造 | 他の外国人従業員や技能実習生に、外国語で作業を伝え、指導しながら、自らもラインに入って作業をする。ラインでの作業のみは、認められません。 |
| 小売店 | 仕入れ、商品企画、通訳を兼ねた接客販売(日本人への接客販売も可能です)。陳列や清掃のみは、認められません。 |
| ホテル・旅館 | 翻訳を兼ねた外国語のホームページの更新などの広報、外国人客への通訳(案内)を兼ねたベルスタッフやドアマン。客室の清掃のみは、認められません。 |
| タクシー会社 | 観光客のための企画・立案、通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバー(通常の乗務も可能です)。 |
| 介護施設 | 外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、日本語を用いて介護業務に従事する。施設内の清掃や洗濯のみは、認められません。 |
| 食品製造会社 | 他の従業員と日本語で意思疎通を図りながら、商品の企画・開発を行い、自らも製造ラインに入る。 |
なお、法律上の資格が必要な業務(業務独占資格)や、風俗関係の業務には、従事できません。
技人国ビザとの違い
| 項目 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定活動46号 |
|---|---|---|
| 対象となる学歴 | 大学卒業など(外国の大学も可) | 日本の大学等の卒業者に限る |
| 日本語能力 | 業務により異なる | N1またはBJT480点以上が必要 |
| 接客や製造ラインの業務 | それが主たる活動となるものは認められない | 日本語を用いた意思疎通を要する業務を含めば、可能 |
| 転職のとき | 届出(条件により、就労資格証明書も) | 在留資格変更許可申請が必要 |
転職のときの注意点
特定活動46号では、契約する機関が「指定書」に記載され、パスポートに貼付されます。そのため、転職して契約の相手が変わる場合は、在留資格変更許可申請が必要です。(同じ法人の中での異動や配置換えは、手続きは不要です。)
在留期間と家族
在留期間は、5年、3年、1年、6月、3月のいずれかです。ただし、原則として、「留学」からの変更のときと、最初の更新のときは、「1年」になります。
扶養を受ける配偶者や子は、「特定活動(本邦大学等卒業者の配偶者等)」の在留資格で、日常的な活動ができます。
サポート事例
日本の大学を卒業し、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で就労しておられた方から、大手の飲食店で働きたいということで、転職にともなう、在留資格の変更のご依頼をいただきました。
課題:
- 飲食店での接客が中心の仕事で、これまでの技術・人文知識・国際業務では、認められない。
- インターネットや周りの方からの情報が、さまざまで、どの在留資格を使えばよいのか、わからず、困っておられた。
対応と結果:
業務の内容が、接客を含めて、日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務に該当することを、整理しました。そのうえで、特定活動(告示46号)の変更許可申請を行い、無事に許可されました。
ご本人からは、「古川に依頼して、大正解です。今、ビザもらって、転職へ」という声をいただいております。(お客様の声のページ)
当事務所のサポート内容と費用
当事務所では、次のようなサポートをしております。
- 採用予定の業務が、特定活動46号に該当するかどうかの確認
- 技人国ビザと、特定活動46号のどちらが適切かのご提案
- 雇用理由書など、申請に必要な書類の作成
- 入管への、在留資格変更・認定・更新の申請
| 認定・変更 | 200,000円(税込) |
|---|---|
| 更新 | 88,000円(税込) |
入管手数料や、書類の取得費などの実費は、別にかかります。在留資格の変更・更新の入管手数料は、許可される在留期間で決まります(1年の場合は、窓口申請で33,000円、オンライン申請で27,000円です)。(出典:出入国在留管理庁)
技人国ビザについては、技術・人文知識・国際業務で外国人を雇用したい方への記事もご覧ください。
よくあるご質問
お問い合わせ
特定活動46号は、業務の内容と、日本語の使い方を、どう書類で示すかが、許可を左右します。
「この仕事は、特定活動46号で認められるのか」「技人国ビザと、どちらを使えばよいのか」など、まずは、採用予定の業務の内容を、お聞かせください。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。



