高度専門職ビザを取得したい方へ

高度専門職ビザとは

高度専門職ビザとは、日本の国益に資するような専門的で高度な能力を有する外国人に与えられる在留資格です。

その能力は、本人の学歴や職歴、年収、研究実績、日本語能力などで評価されます。この評価はポイント制になっており、ポイント表で70点以上であることを証明すると取得できます。

この記事は、つくば市の国立の研究機関(国立研究開発法人など)や大学で働く、または働く予定の研究者の方を念頭に書いています。つくば市は、日本で特に研究機関が集中している地域です。研究機関で働く方に関係の深い点を中心に、制度のポイントと費用をご説明いたします。なお、この記事の点数表は、2026年10月時点で、出入国在留管理庁の省令・告示と照らし合わせて確認したものです。

高度専門職ビザの研究者

高度専門職ビザ取得のメリット

在留期間が5年になる

最初から最長の5年の在留期間が与えられます。毎年のビザ更新の手間が省けます。

永住ビザが取りやすい

70点以上で3年、80点以上で1年、日本に在留すれば、永住許可を申請できます。就労系ビザの方が通常10年かかるのと比べて、大きな違いです。

活動できる範囲が広がる

働きながら、関連する事業の経営活動をすることができます。

配偶者も就労できる

配偶者は、週28時間までのアルバイトではなく、フルタイムで就労できます。学歴・職歴の要件を満たす必要はありません。

親を呼び寄せることができる

日本では、永住者であっても、親を呼び寄せることは基本的にできません。しかし、高度専門職の方やその配偶者が妊娠中の場合、または7歳未満のお子さんがいる場合は、親を呼び寄せることができます(在留資格は「特定活動」)。親との同居が必須で、世帯年収が800万円以上あるなど、一定の要件があります。

家事使用人を呼び寄せることができる

海外で雇用していた家事使用人の帯同や、13歳未満の子がいるなどの事情を理由に、家事使用人を雇用することができます。世帯年収が1,000万円以上あるなど、一定の要件があります。

手続きが優先的に審査される

他の在留資格より優先して審査されます。

高度専門職ビザ取得のデメリット

大きなデメリットはありませんが、高度専門職1号の方が転職する場合は、届出だけでなく、在留資格変更許可申請が必要です。高度専門職2号になると、届出だけで済みます。

高度専門職ビザの種類

高度専門職ビザは、1号イ・ロ・ハと、2号の4種類です。研究機関で働く方は、ほとんどが「1号イ」です。

高度専門職1号

高度専門職 1号イ 1号ロ 1号ハ
活動 高度学術研究活動 高度専門・技術活動 高度経営・管理活動
具体的な活動例 研究機関や大学で行う研究、研究の指導、教育 技人国ビザで行なう活動(国際業務を除く)。一般企業などで行なう高度な就労活動 経営・管理ビザで行なう活動
簡単に言うと 大学教授や研究者 企業で働く技術者 企業の経営者

高度専門職2号

高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれかで、3年以上活動した方が対象です。1号のメリットに加えて、次のメリットがあります。

  • 在留期間が無期限になります(7年に1度、在留カードの顔写真を変える必要はありますが、在留審査はありません)。
  • 単純労働を除き、就労系の在留資格で認められているほぼすべての活動ができます。
  • 転職しても、届出だけで済みます。

そのため、高度専門職1号で3年以上活動した方には、高度専門職2号への変更をお勧めします。2号への変更も、70点以上であることが必要です。

高度専門職ビザを取得するには

まず、ご自身の活動が、1号イ・ロ・ハのどれに当たるかを判断します。そのうえで、ポイント計算表から、70点以上あるかを計算します。ここでは、研究者の方(1号イ)を中心に、主な項目をご説明します。

学歴

評価項目 1号イ(研究者) 1号ロ(技術者)
博士号の取得者 30点 30点
修士号、専門職学位の取得者 20点 20点
大学卒業者など(高度専門士を含む) 10点 10点
複数の分野で博士・修士の学位を持つ +5点 +5点

職歴(実務経験)

従事しようとする研究や業務に関する実務経験が対象です。大学などで学んだ期間(研究期間を含む)や、アルバイトの期間は含められません。1号イ(研究者)の場合は、研究、研究の指導または教育の経験が対象です。

実務経験 ポイント
7年以上 15点
5年以上7年未満 10点
3年以上5年未満 5点

※ 1号ロ(技術者)は、10年以上20点、7年以上15点、5年以上10点、3年以上5点です。職歴は、所属していた機関が発行する職歴証明書などで証明します。

年収

ここでいう年収とは、過去の年収ではなく、高度専門職ビザで働くときに受け取る(予定の)年収です。1号イ(研究者)には、最低年収の決まりはありません。1号ロ(技術者)は、年収300万円以上であることが必要です。

1号イ・ロは、年収と年齢で、次のポイントが与えられます。

年収 ~29歳 ~34歳 ~39歳 40歳~
1,000万 40点 40点 40点 40点
900万 35点 35点 35点 35点
800万 30点 30点 30点 30点
700万 25点 25点 25点 –
600万 20点 20点 20点 –
500万 15点 15点 – –
400万 10点 – – –

年収には、基本給、賞与、勤勉手当、調整手当などが含まれます。通勤手当、扶養手当、住宅手当、超過勤務手当は含まれません。1号ハ(経営者)の年収の点数表は、別になっています。

年齢

1号イ・ロに限り、年齢で加点されます(29歳以下15点、34歳以下10点、39歳以下5点)。年齢は、在留資格認定証明書交付申請書に書いた入国予定日、または変更申請の申請時点のものです。

ボーナス:研究実績

1号イ(研究者)は、次の(1)~(4)のうち、2つ以上に該当すれば25点、1つに該当すれば20点です(1号ロは1つ以上で15点)。

  • (1)発明者として特許を受けた発明が、1つ以上ある
  • (2)入国前に、外国政府などの公的機関から補助金(グラント)を受けた研究に、3回以上従事した
  • (3)Scopus や PubMed に登録されている学術雑誌に、責任著者として載った論文が3本以上ある
  • (4)上記と同等の研究実績があるとして、関係行政機関の長(所管の省庁)が認めるもの

(4)で加点を申請する場合は、その分野に詳しい行政機関に、入管が問い合わせをします。審査する側から見て、説得力のある説明が必要です。

ボーナス:所属する機関に関するもの

研究機関で働く方に、特に関係が深い項目です。

  • イノベーションの促進に関する支援措置を受けている機関で働く(10点):大学や研究機関のうち、国の補助金などの支援措置を受けているものが対象です。つくば市には、対象となる機関が多くあります。入管庁のページに、対象の一覧があります。
  • 中小企業で働く(20点):中小企業のうち、イノベーションの促進に関する支援措置を受けているものが対象です。
  • 試験研究費等の比率が3%を超える中小企業で働く(5点)
  • 成長分野の先端的な事業に、本人が従事している(10点):機関が支援を受けている項目とは別に、本人が先端的な事業に従事している場合に加点されます。

ボーナス:学歴・日本語に関するもの

条件 ポイント
日本の大学を卒業、または大学院の課程を修了して学位を授与された(学歴の点数とは別に加点されます) 10点
法務大臣が告示で定める大学を卒業した(下の表) 10点
日本語能力試験N1(BJT480点以上、外国の大学で日本語を専攻して卒業した方も) 15点
日本語能力試験N2(BJT400点以上) 10点

日本語の点数は、日本の大学を卒業・修了して10点を得た方や、N1とN2を重ねて加算することはできません。

茨城県、千葉県、栃木県で、法務大臣が告示で定める大学は、次のとおりです。

都道府県 大学
茨城県 筑波大学、茨城大学
千葉県 千葉大学、千葉工業大学
栃木県 宇都宮大学、獨協医科大学

その他の都道府県や海外の大学は、入管庁の高度人材ポイント制のページにある大学の一覧をご覧ください(令和8年1月時点)。海外の大学は、最新の3つの世界大学ランキングでも、あわせて確認してください。

例えば、筑波大学の大学院を修了して修士の学位を授与された方は、学歴20点+日本の大学の卒業・修了10点+告示大学10点=40点になります。

そのほかの加点項目

そのほか、職務に関連する日本の国家資格や外国の資格・表彰(5〜10点)、JICA研修の修了(5点)、地方公共団体の補助を受けている機関での就労(10点)、経営者や投資運用業に関する項目などがあります。ご自身が該当するかは、お問い合わせください。

ポイント計算の例

研究者(1号イ)の、計算の一例です。

33歳、博士号、年収600万円、責任著者の論文が3本ある場合

  • 学歴(博士)30点
  • 年収(600万円、34歳以下)20点
  • 年齢(34歳以下)10点
  • 研究実績(1つに該当)20点

合計80点になります。

この例のように、研究者の方は、学歴・年収・年齢・研究実績だけで、70点を超えることが少なくありません。

更新のときの注意

高度専門職の在留期間更新のときも、70点以上であることが必要です。出入国在留管理庁の案内では、70点未満など要件を満たさない場合は、不許可とされています。昇給などで年収が変わると、点数も変わります。更新の前に、ポイントを計算し直しておくと安心です。

特別高度人材(J-Skip)

ポイント制で70点に届かなくても、学歴または職歴と年収が、次の水準以上であれば、高度専門職1号を取得できる制度があります。2023年4月に始まりました。

活動 要件
高度学術研究活動(1号イ)
高度専門・技術活動(1号ロ)
修士号または博士号がある、または、職歴10年以上で、年収2,000万円以上
高度経営・管理活動(1号ハ) 職歴5年以上で、年収4,000万円以上

特別高度人材には、次の優遇措置もあります。

  • 1年間在留すれば、永住許可の申請、または高度専門職2号への変更ができる
  • 世帯年収が3,000万円以上の場合、外国人家事使用人を2人まで雇用できる(家庭事情の要件はありません)
  • 大規模空港などのプライオリティレーンを使える

サポート事例

高度専門職2号への変更申請

国立大学で研究員をされている方から、高度専門職2号への変更申請のご依頼をいただきました。

課題:

  • 1号のときの手続きは大学が行ってくれたが、2号は、ご自身で手続きをする必要があった。
  • 勤務先の研究機関が、どのポイントの加点に当たるのかを、よく調査する必要があった。

対応と結果:

この方には、幼いお子さんがおられ、海外から親御さんを呼び寄せて、特定活動の在留資格を取得されていました。お子さんが7歳になるまで、親御さんが十分に在留できるよう、在留期間が無期限になる2号に変更したい、というご希望でした。

要件を確認したうえで申請し、無事に許可されました。ご本人が無期限の2号になったことで、親御さんも、より安定して在留できるようになりました。

高度専門職の両親の呼び寄せ

高度専門職の方から、ご両親を日本に呼び寄せたいというご依頼をいただきました。

課題:

  • ご両親の出生医学証明書が、発行されなかった。
  • ご両親の説得や、いつ頃来日するかの調整に、多くの時間が必要だった。

対応と結果:

公証書で親子関係を証明し、出生医学証明書や戸籍謄本なども提出しました。出生医学証明書は、1996年以降に始まった制度のため、それより前に生まれた方には発行されません。その場合は、戸口簿で対応しました。

あわせて、ご自宅の建物や、ご両親が住める部屋があることを、積極的にアピールして、許可されました。

お子さんが7歳になるまでの期間ですが、親子3世代が一緒に暮らすことができています。日本で、外国人の親が在留することは基本的に認められていないため、その例外といえる事例です。

高度専門職の費用について

当事務所の報酬は、次のとおりです。

項目 報酬
高度専門職(1号・2号):在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更 220,000円(税込)
高度専門職:在留期間更新(前回の申請を当事務所で担当した方) 88,000円(税込)
高度専門職:在留期間更新(はじめてご依頼の方) 132,000円(税込)
高度専門職の親(特定活動):認定・変更 165,000円(税込)
高度専門職の親(特定活動):更新 88,000円(税込)
  • お支払いは、着手金として報酬の半額、許可後に残りの半額と実費をお支払いいただきます。不許可の場合は、許可後の報酬はご請求いたしません。
  • 入管に納める手数料や、書類の取得費などの実費は、別にかかります。
  • ポイント計算が複雑な場合などは、事前にお見積りいたします。

入管手数料(2026年10月1日改定)

在留資格認定証明書交付申請には、手数料はかかりません。在留資格変更や在留期間更新の手数料は、許可される在留期間で決まります。高度専門職1号の場合は、5年が許可されることが多いです。

許可される在留期間 窓口(収入印紙) オンライン
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

これ以外の在留期間の場合は、金額が異なります。オンライン申請には、別途、決済手数料がかかります(出典:出入国在留管理庁)。

高度専門職ビザの申請の難しさ

高度専門職ビザのポイント制度は、かなり複雑です。また、ご自身が該当する項目のポイントをすべて証明するために、たくさんの書類を提出しなければなりません。

当事務所のある茨城県つくば市は、研究機関が集中している地域で、高度専門職ビザに該当する方が多くおられます。そのため、高度専門職ビザの申請を積極的にサポートしております。

ポイントの計算だけでも、お気軽にご相談ください。申請が難しい、入管申請の事務処理を委託したい、水戸や千葉の入管に行く時間がないという方も、お問い合わせをお待ちしております。

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