ベネズエラ人との国際結婚・配偶者ビザ手続きガイド

ベネズエラ国籍の方と結婚し、日本で一緒に生活したいと考えている方の中には、次のような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

  • ベネズエラ人との結婚手続きは、どんな流れになるのだろう?
  • 結婚手続きや配偶者ビザの申請が長引いてしまわないか心配…
  • アポスティーユ認証やスペイン語翻訳が必要で、手続きが難しそう
  • 配偶者ビザ申請を見据えて、前もって準備しておくことは何だろう?

こうした不安や疑問を解消できるように、この記事では、婚姻届の提出からベネズエラ大使館での手続き、そして配偶者ビザ申請までの流れを、茨城県つくば市のスペイン語対応が可能な入管専門行政書士が分かりやすく解説いたします。

この記事の内容は、日本人とベネズエラ人の結婚を前提にしています。

ステップ1:日本の役所に婚姻届を提出

婚姻要件と提出書類

大前提として、日本人とベネズエラ人が結婚するには、それぞれの国の法律で定められた婚姻要件を満たしている必要があります。

日本人の婚姻要件は何ですか。

日本人の婚姻要件には、以下のようなものがあります。

  • 婚姻年齢18歳以上(民法731条)
  • 重婚の禁止(民法732条)
  • 近親者間の婚姻の禁止(民法734~736条)
  • 双方に結婚の意思があること(民法742条)
  • 詐欺又は強迫による結婚でないこと(民法747条)
  • (婚姻の効力として)夫婦は同居し、互いに協力し扶助すること(民法752条)
    ※ビザ目的などの形だけの結婚でないことが必要です。配偶者ビザの申請ではこの点が重点的に審査されます。
ベネズエラ人の婚姻要件は何ですか。

ベネズエラ人の婚姻要件には、以下のようなものがあります。

  • 婚姻年齢は男性が16歳以上、女性が14歳以上
  • 重婚の禁止
  • 近親者間の婚姻の禁止
  • 女性の再婚待機期間10ヶ月
    ※妊娠していないことが医師の証明で明らかな場合は、この期間を待たずに結婚できます。
  • 拉致や犯罪関係による結婚でないこと

日本では戸籍制度があるため、戸籍謄本を提出することで婚姻要件(婚姻可能な状態であること)を証明できます。他方、外国には戸籍制度に相当する仕組みを持たない国が多いため、一般的には本国政府が発行する「婚姻要件具備証明書」をもって、婚姻要件を満たしていることを証明します。

ところが、在日ベネズエラ大使館によると、ベネズエラではこの「婚姻要件具備証明書」が発行されません。そのため、日本で婚姻手続きをする際には、次のような書類を提出して、婚姻要件を満たしていることを証明する必要があります。

  • 独身であることの宣誓書 ※独身であることを証明
  • 出生証明書 ※婚姻年齢を満たしていることを証明
  • 登録証明書(Constancia de Registro de Consular) ※国籍を証明
    ※日本にお住まいでパスポートを提示できれば、パスポートが国籍の証明になり得ます。

一般的に、これらのベネズエラ本国の書類は発行から3ヶ月以内である必要があり、アポスティーユ認証が必要です。

したがって、日本人とベネズエラ人が結婚するために日本の役所に婚姻届を提出する場合、以下の書類を提出することになります。

  • 婚姻届
  • 戸籍謄本(日本人側)
  • 独身であることの宣誓書(アポスティーユあり)(ベネズエラ人側)とその日本語訳
  • 出生証明書(アポスティーユあり)(ベネズエラ人側)とその日本語訳
  • パスポートまたは登録証明書(アポスティーユあり)(ベネズエラ人側)とその日本語訳
  • (法律上婚姻に支障がないことの)申述書(ベネズエラ人側)

なお、これらの書類を提出される前に、あらかじめ提出先の市区町村役場へご相談されることをお勧めいたします。お住まいの地域やお二人の状況によって、必要となる書類や認証の方法が異なる場合があるためです。

アポスティーユ認証とは何ですか。

ベネズエラで発行された出生証明書や独身証明書を日本で使いたい場合、日本の役所は「本当にベネズエラの公的機関が出した本物の書類かどうか」を確認する必要があります。その本物であることの証明を、ベネズエラ外務省が「アポスティーユ認証」として行い、書類に特別な印章やQRコード付きの証明書を貼付します。この認証があることで、日本の役所でも「正式な公文書」として受け付けてもらえるようになります。

逆に、日本の書類をベネズエラ大使館などへ提出する場合、日本の外務省でアポスティーユ認証を受けることになります。

婚姻届提出までの流れ

まとめますと、準備から婚姻届提出までの流れは以下のようになります。

No. 手  順
1. 提出先の市区町村役場の市民課戸籍係へ行き、ベネズエラ人との婚姻について相談します。
すると、市区町村役場が法務局に照会を求め、後日、婚姻届が受理されるための必要書類が伝えられます。
2. 必要書類の収集をします。特に、ベネズエラ本国の書類の取得やアポスティーユ認証には時間がかかることにご注意ください。
その後、スペイン語で書かれているベネズエラ本国書類を日本語に正確に翻訳します。
3. 婚姻届は、二人で記入し、双方が署名・押印します。また、証人2名の署名・押印も必要です。役場と協議して作成した申述書についても、ベネズエラの方ご本人が記入・署名します。
ベネズエラ人の方がベネズエラ本国など遠方にいる場合でも、日本人の方が代わりに婚姻届や申述書に署名することはできません。必ず国際郵便で送付し、署名をして送り返してもらうようにしましょう。
4. 役場の方とよく打ち合わせ、婚姻届を求められた書類を共に提出します。お二人一緒に行くことが望ましいですが、当事者どちらかでも可能です。
5. 婚姻届が受理されたら、日本で法的に婚姻したことになります。今後の手続きで必要になるため、婚姻について記載された戸籍謄本、婚姻届記載事項証明書を取得しましょう。

ステップ2:ベネズエラ大使館から結婚証明書を取得する

国際結婚の場合、日本とベネズエラの両国で法的に婚姻が有効であることが必要です。

日本の法律に基づいて婚姻届を提出し、日本で正式に結婚が成立したあとは、その事実をベネズエラ本国に報告(婚姻登録)する手続きを行います。この手続きによって、ベネズエラ政府が発行する結婚証明書を取得することができ、両国で婚姻が法的に認められた状態になります。

この手続きは、駐日ベネズエラ大使館へ郵送で行なうことが可能です。

駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館
〒104-0042 東京都中央区入船2-7-4 政光ビル3階
電話番号(領事部):03-6275-2363
ウェブサイト:婚姻届 | Venezuela

ベネズエラ大使館への提出書類

以下の書類をベネズエラ大使館へ提出します。

  • 申請書 1通
  • 婚姻届記載事項証明書(アポスティーユあり) 原本1部、写し2部
  • 婚姻届記載事項証明書のスペイン語訳(アポスティーユあり) 原本1通、写し2通
  • ベネズエラ人側の身分証明書CI (Cédula de Identidad) 写し3通
  • ベネズエラ人側のパスポート 写し3通
  • ベネズエラ人側の出生証明書 写し3通
  • 日本人側のパスポート 写し3通
  • 日本人側の戸籍抄本 原本1通、写し3通
  • 日本人側の戸籍抄本のスペイン語訳(アポスティーユ不要) 原本1通、写し3通
  • 返信用レターパックプラス 1通

(念のため、ベネズエラ大使館に必ずご確認ください。)

上記書類の中で、最初の2つの書類、婚姻届記載事項証明書(アポスティーユあり)とそのスペイン語訳(アポスティーユあり)の取得手続きがやや複雑です。

No. 手  順
1. まず、婚姻届が受理された役場で、婚姻届記載事項証明書を取得します。(婚姻届受理証明書は不可です。)
2. その後、日本の外務省で婚姻届記載事項証明書にアポスティーユ認証を取得します。
3. そのアポスティーユ認証付きの婚姻届記載事項証明書をスペイン語に翻訳します。
4. スペイン語翻訳者が公証人役場へ行き、翻訳したスペイン語翻訳文の私署証書の認証を受けます。
5. 私署証書の認証を受けたスペイン語翻訳文を持参のうえ、公証人役場を管轄する地方法務局へ行き、その公証人が在職中であることの証明を受けます。
6. その後、日本の外務省で、認証を受けた婚姻届記載事項証明書のスペイン語訳のアポスティーユを取得します。

この手続きが完了すると、ベネズエラ国から「婚姻記録の写しを証明する認証書」(Certificación de copia fotostática del extracto de matrimonio)が発行され、これが結婚の証明となります。

ステップ3:出入国在留管理局へ配偶者ビザの申請

日本とベネズエラの両国で法的に婚姻が成立したなら、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理局(入管)へ在留資格「日本人の配偶者等」への在留資格申請を行ないます。

ベネズエラ人の方がすでに日本にお住まいの場合、在留資格変更許可申請を行ないます。海外にお住まいの場合(日本に住所がない場合)、在留資格認定証明書交付申請を行ないます。

日本人と結婚したベネズエラ国籍の方が「日本人の配偶者等」の在留資格を申請する際には、婚姻の真実性・安定性・生活基盤などを立証するため、次のような資料を提出します。

  • 在留資格認定証明書交付申請書、または在留資格変更許可申請書
  • 顔写真(縦4cm×横3cm)
  • パスポートの写し
  • 戸籍謄本
  • 結婚証明書(ベネズエラ発行)とその日本語訳
  • 婚姻届記載事項証明書
  • 質問書
  • 交際経緯説明書
  • 真摯な交際を経て結婚したことがわかる写真、メッセージ履歴
  • 身元保証書(日本人の配偶者が記入)
  • 日本人配偶者の住民票
  • 日本人配偶者の直近年度の所得課税証明書
  • 日本人配偶者の直近年度の住民税の納税証明書
  • 扶養者の在職証明書
  • 返信用封筒(簡易書留) など

これらの書類をただ提出するのではなく、在留資格「日本人の配偶者等」の許可要件を正確に把握し、それを立証する形で申請することがとても重要です。

配偶者ビザ申請については、こちらの記事をご参照ください。

ベネズエラ人の方との婚姻届提出サポート

当事務所は、全国的にも数少ないスペイン語対応が可能な入管業務専門の行政書士事務所です。

ベネズエラ人の方との婚姻手続きは、役場との協議、スペイン語翻訳、アポスティーユ認証、ベネズエラ大使館との協議など様々なハードルがあり、複雑な手続きです。

当事務所では、婚姻届の提出サポートから、ベネズエラ大使館での結婚証明書発行手続き、そして配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の在留資格申請まで、すべてをワンストップでサポートいたします。

スペイン語が得意ではなく日本人の配偶者の方、日本語が得意ではないベネズエラ人の方とのやり取りも、安心してお任せください。

対応地域

市区町村役場への婚姻届提出サポート 茨城県、千葉県、埼玉県、東京都、栃木県にお住まいの方
ベネズエラ大使館への結婚証明書取得手続き 全国対応いたします

サポート費用

当事務所は、基本的にフルサポートのサービスをご提供しております。

市区町村役場への婚姻届提出サポート 132,000円(税込)

役場との事前協議、婚姻届提出のためにすべてのスペイン語翻訳、婚姻届の作成サポート、申述書の作成、婚姻届提出当日の同行を含みます。

着手金として半額66,000円(税込)を頂戴し、婚姻届が受理された後、成功報酬として残りの半額66,000円(税込)、実費(書類取得料、郵送料交通費など)を頂戴いたします。

ベネズエラ大使館への結婚証明書取得手続き 132,000円(税込)

ベネズエラ大使館との協議、結婚証明書取得に必要なスペイン語書類の翻訳、公証人役場での手続き、アポスティーユ認証手続きを含みます。

着手金として半額66,000円(税込)を頂戴し、婚姻届が受理された後、成功報酬として残りの半額66,000円(税込)、実費を頂戴いたします。
なお、実費として、書類取得料や郵送料に加えて、公証人役場での私署証書の認証費用として12,500円が発生します。

ベネズエラの方との結婚手続きでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
国際結婚・配偶者ビザの実務に精通した行政書士が、丁寧にサポートいたします。

お問い合わせは、下記のお問い合わせ用メールフォームやお電話から受け付けております。

お電話、メールでのご相談・お問い合わせ
  • 初回相談は無料です、お気軽にお問い合わせください。
  • ご相談はご来所のほか、Zoom等のオンラインでの相談も承っております。
お電話でのお問い合わせ

「ビザ申請のホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日10:00-18:00(土日祝休み)
メールでのお問い合わせ

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    ページトップへ戻る