介護施設で外国人に働いてもらうために活用できる在留資格(通称「ビザ」)は、他の分野に比べて多く用意されています。
具体的には、次の6種類の在留資格です。
介護 | 国家資格「介護福祉士」の取得者 |
特定技能1号(介護分野) | 介護技能評価試験+日本語試験(N4以上)+介護日本語評価試験の合格者、または、介護分野の第2号技能実習修了者 |
特定活動(EPA介護福祉士候補者) | インドネシア・フィリピン・ベトナムからの経済連携協定に基づく介護福祉士候補者 |
技能実習(介護職種) | 技能実習生として入国した外国人 |
永住者、定住者、日本人の配偶者等 | 身分系の在留資格を持つ外国人 |
留学 | 資格外活動許可を得て、アルバイトする留学生 |
中でも右肩上がりで増えているのが「特定技能1号(介護分野)」で、2024年12月末時点の在留者は44,367人(全国)です。政府も人手不足対策として活用を後押ししており、茨城県の介護施設でも特定技能外国人の雇用が一般化していくことが見込まれます。
とはいえ、いざ特定技能外国人の雇用を検討すると、
- 「手続きが複雑そうで、どこから始めればよいのかわからない」
- 「実際にどのくらいの費用がかかるのか不安」
- 「自社でも本当に特定技能外国人を雇えるのだろうか」
当事務所では、茨城県内全域において、介護分野の特定技能ビザ申請サポートから、介護施設における外国人雇用のトータル支援まで幅広く対応しております。
この記事では、制度のポイント・申請の流れ・費用の目安について、わかりやすく解説いたします。
特定技能(介護)の受け入れ対象となる施設とは
法律上、介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる施設は、国家資格「介護福祉士」の受験資格を得るための実務経験として認められる介護等の業務に従事させる施設に限られています。
特定技能外国人がよく働いているのは、特別養護老人ホームです。次いで病院、認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護、介護老人保健施設、通所介護(老人デイサービスセンター)の順に続きます。これで全体の7割以上を占めます。
しかし、それ以外の施設でも、特定技能外国人を雇用できます。
例えば、診療所、介護医療院、特定施設入居者生活介護(地域密着型・介護予防を含む)、認知症対応型通所介護(介護予防を含む)、通所リハビリテーション(介護予防を含む)、小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む)、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)、グループホーム(共同生活援助)、生活介護、就労継続支援、短期入所、療養介護、障害児入所施設放課後等デイサービス、児童発達支援などです。
しかし、介護保険法上の特定施設入居者生活介護の指定など、介護サービスの指定を受けていない住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅(サ高住)においては、特定技能外国人を雇用することはできません。また、特定施設入居者生活介護の指定を受けていても、外部サービス利用型は認めれていません。
介護分野ならではの特別ルール
介護日本語評価試験
介護分野の1号特定技能外国人として働くには、①介護技能評価試験、②一般日本語(JLPT N4以上またはJFT-Basic)に加え、③介護日本語評価試験の合格が必要です。③は介護分野だけの特別ルールです。
なお、技能実習2号(介護職種)を良好修了者、介護福祉士養成施設修了者、(要件を満たした)EPA介護福祉士候補者は、上記3試験すべてが免除されます。
人数枠
1号特定技能外国人の人数枠は、(法人単位ではなく)事業所単位で、日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこととされています。
なお、「日本人等」には、永住者・日本人の配偶者・定住者の方、在留資格「介護」の方、介護福祉士に合格したEPA介護福祉士は含まれます。しかし、技能実習生、EPA介護福祉士候補者、留学生、(もちろん1号特定技能外国人も)は含まれません。
訪問介護などの訪問系サービスも可能(条件あり)
2025年の制度改正により、1号特定技能外国人も、訪問介護などの訪問系サービスに従事できるようになりました。
しかし、訪問介護では、勤務実態の把握がしにくく、ハラスメントのリスクにも配慮が必要なため、外国人・事業所の両方に条件が設けられています。
訪問介護をする特定技能外国人の条件
- 介護職員初任者研修課程等を修了していること
- 介護事業所等での実務経験が1年以上あること
訪問介護をする事業所の条件
- 訪問介護の基本事項に関する事前研修の実施
- 一定期間、責任者が同行し必要な訓練(OJT)を行なうこと
- 業務内容の丁寧な説明・意向確認とキャリアアップ計画の作成
- ハラスメント防止のための相談窓口の設置
- 不測の事態に対応するための環境整備
受入れ前の手続き
訪問系サービスに従事させる前に、上記条件を満たしていることを示す適合確認申請を行い、適合確認書の交付を受ける必要があります。申請先は公益社団法人 国際厚生事業団(JICWELS)です。
その後は、介護分野の特定技能協議会による巡回訪問(実施はJICWELSが受託)に協力する必要があります。
訪問系・介護保険の指定がある事業所であること
高齢者向け訪問系サービスの場合、訪問入浴介護(介護予防を含む)、第1号訪問事業、指定訪問介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定を受けている事業所は、特定技能外国人に訪問介護に従事してもらうことができます。
しかし、介護保険法上の特定施設入居者生活介護の指定を受けていない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設のうち外部サービス利用型の場合は、特定技能外国人を活用できません。
当事務所では、適合確認申請から受け入れ体制づくり、在留手続きまで一括で支援していますので、お気軽にお問い合わせください。
安心して特定技能外国人を雇用しながら、費用を抑えるには
介護施設は24時間365日稼働するため、人手不足が深刻で、比較的多くの特定技能外国人を雇用する傾向にあります。そのため、外国人特有の費用をなるべく抑えたいところです。
採用コストの抑え方
特定技能外国人の採用を、有料職業紹介だけに頼らず、近隣の介護系専門学校との連携、既存職員のリファラル(紹介)、SNSや地域ネットワークを組み合わせるのがおすすめです。これにより、年間で数百万円規模の紹介手数料を削減できるケースが少なくありません。
何より大切なのはコンプライアンス
特定技能を含む外国人雇用で最も重要なのは法令遵守(コンプライアンス)です。なぜなら、ホワイト企業のみが特定技能制度を活用できるように制度設計されており、ブラックまたはグレーな企業を排除もしくはホワイト化させることが、日本政府の目的の一つだからです。
そのため、もし法令違反をするなら、外国人の就労継続が困難になり、介護施設の経営は窮地に陥ります。そのため、行政書士や弁護士と連携し、継続的にサポートしてもらう体制を整えることが、結果的に安心とコスト最適化の両立につながります。
雇用管理コストの抑え方
とはいえ、行政書士や弁護士に何でも依頼すると、費用が高額になるのもまた事実です。そこで当事務所では、最初はプロに任せて“型”を作り、以後は自社運用+要所だけプロ確認という方法をおすすめしています。
当事務所では、安心して外国人を雇用できるよう月額5万円ほどで、継続的サポートをご提供しております。これにより、介護施設様の負担を抑えつつ、安心して外国人を雇用できるようお手伝いします。
生活支援を自社で行なう
特定技能外国人を雇用する場合、登録支援期間と必ず契約しなければならないと考えている方は少なくありませんが、そうではありません。登録支援期間が行なう支援とは、特定技能外国人の生活支援のことであり、自社で生活支援することは十分可能です。
例えば、特定技能外国人を5人雇用し、毎月2万円の支援委託料を払う場合、毎月10万円、年間120万円になりますが、自社支援により、この金額を削減できます。また、ノウハウが自社に蓄積されるというメリットもあります。
ここまで読んで「ちょっと複雑そうだな…」と感じられた方へ
介護の現場は24時間365日、ずっと人に寄り添う仕事です。だからこそ、日々忙しい現場の職員さんに余計な負担をかけたくないと思われるかもしれません。
その一方で、人手不足を放置できない現実もおありのことでしょう。
当事務所では、茨城県内の介護施設様が本来の業務に集中できるように、新たな特定技能外国人を雇用するための在留資格申請を始め、継続的に外国人の雇用管理や在留手続をサポートしております。
当事務所のサポート内容(特定技能1号・介護分野)
当事務所では、介護分野で1号特定技能外国人を雇用するための在留資格申請をフルサポートしております。
具体的には、以下のサポートが含まれます。
特定技能外国人の雇用に関するご相談 | ◯ |
特定技能デューデリジェンス(入念な事前調査)の実施 | ◯ |
企業のご担当者様、顧問社労士様に対するガイダンスの実施 | ◯ |
特定技能外国人に対する事前ガイダンス | ◯ |
適合確認申請(訪問系サービスに従事する場合) | ◯ |
特定技能の在留資格申請の書類作成 | ◯ |
出入国在留管理局への在留資格申請代行 | ◯ |
出入国在留管理局との協議、追加書類通知書への対応 | ◯ |
結果受け取り代行 | ◯ |
在留資格申請の報酬額
認定・変更・更新(転職あり) | 220,000円 |
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更新(転職なし) | 88,000円 |
同時申請(2人目以降) | +55,000円(税込) |
また、継続的なサポートも行っております。この継続サポートでは、御社で雇用しているすべての外国人の雇用管理や在留申請などについてアドバイスさせていただいております。
継続サポート(顧問) | 月額33,000円~ (施設の規模、外国人の人数などにより個別にお見積りいたします。) |
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上記の報酬以外に、入管手数料、郵送料、書類取得料、交通費などの実費が発生する場合がございます。
当事務所では、御社が特定技能ビザで外国人を雇用できるよう手厚いサポートを行っております。また、この記事には載っていない、雇用前の注意点が多々ございます。
それで、特定技能ビザで外国人の雇用をご検討中の介護施設様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。